中田香子議員が代表質問を実施

第308回定例会(2月)代表質問
2011年2月21日(月)

1 第2次行財政構造改革推進方策の今後の推進について

 兵庫県では、疲弊した財政の改善を図り、安全・安心な社会を求める県民の要請に的確に対応できる持続可能な行財政基盤を確立するため、平成20年10月に新行革プランを策定し、定員・給与、事務事業など、行財政全般にわたる改革を進めてきました。
 新行革プラン策定から3年目にあたる本年度は、「行財政構造改革の推進に関する条例」に基づき、行財政全般にわたる総点検が実施されました。これにあわせて、県議会においても、行財政構造改革調査特別委員会を設置し、精力的に議論を重ねてまいりました。7月に示された「課題と検討方向」を踏まえ、11月8日には企画部会案が提示され、その後、1次案・2次案と検討を加え、今定例会に「第2次行革プラン」の案が上程されております。
 我が会派は、策定にあたっては、一つ目は、限られた財源の中で、社会状況・情勢の変化に対応した県民だれもが納得できる優先順位をとらえた改革とすることが必要である。二つ目には、各部署、現地の事務所等でより徹底した協議を行うとともに、県民に一番近い距離にある現場の職員の声を反映し、その声を大切にした施策の策定、推進を行うことが必要である。三つ目に、この第2次行革プランの策定・推進は、本来の目的である、県民の安心・安全を高めるため将来にわたり持続可能な行財政基盤を確立し、県民が納得できる改革とすることを改めて肝に銘じ、集中と選択をより明確にし、検討するべきと主張してまいりました。
 今回の提案された第2次行革プラン案については、当初提案された企画部会案から比べると、これまでの我が会派からの申入れや意見開陳を概ね反映したものと一定の評価をするものであります。医療や福祉、教育、雇用などの県民生活と直結する分野については、県民本位の対応となるようにより慎重な対応が必要としたところ、重度障害者医療費助成事業等の所得判定単位の見直しについて十分な周知期間を設置されました。また、先の見通せない給与抑制措置については、職員の生活設計やモチベーションに支障をきたすことがないように特段配慮すべきと主張したところ、今回「士気高揚にも留意しながら」と言う文言が加えられました。また、スクールアシスタント配置事業の補助金廃止によって、施策が後退しないよう、新たな措置を講じる必要があると求めたところ、LD、ADHD等の理解と支援をするための小・中学校における体制の充実において、市町が配置する特別支援教育支援員が、教員と緊密な情報交換等を行いながら、児童生徒への適切な対応を図ることができるよう、県として支援員への指導助言や資質向上の取り組みを充実する方向性を示されたことは大いに期待するものであり、これらの事業の着実な取り組みを望むものであります。
 しかしながら、高齢化社会が進む中で、地域活性化を図るためには、活力ある高齢者の地域活動の支援や喫緊の課題である地域の足である公共交通の確保と地域の活性化に係る施策の連携といったような様々な課題は残されており、適切かつ的確な対応が必要であります。
 また、これまでも述べてきたように、新行革プランの目標とする、県民の安心・安全を高めるため将来にわたり持続可能な行財政基盤を確立するための改革は、県民の理解がなければその目標は達成しません。
 新行革プラン策定後、我が会派として、県の厳しい財政状況や新行革プランの取り組みについて、地域懇談会等を通して、県民への認識度を調査したところ、「県では超過課税等の独自の目的税を財源に様々な事業へ財政支出を行っており、財政状況は潤沢ではないか」「財政状況が厳しいとは知らなかった」等の発言を多く聞いたところであります。これは、県民にとって行革の目的・意義が正しく伝わっていない状況であり、理解・協力を得る県民に対して、県の財政状況を適切に伝える手法が、不十分であったのではないかと考えます。
 そこで、第2次行革プラン策定後、県民に対してこの行革の目的・意義を正しく伝えていくためにどのように取り組んで行くのか方針を伺います。

2 平成23年度予算編成の基本方針と今後の取り組みについて

 平成23年度予算案については、来年度が第2次新行革プランのスタートの年となることから、第2次行革プランの取り組みを基本に、地方財政を取り巻く環境を踏まえ、国の制度改正や予算編成、地方財政措置を見極めつつ、施策の選択と集中を一層徹底し、県民ニーズに的確に応えることのできるように作成したとのことであります。
 我が会派は、平成23年度の予算編成にあたっては、依然として厳しい経済環境下にあって、雇用の確保、社会保障の充実など、地域のセーフティネットとして県の果たすべき役割は重要であり、産業・雇用政策は勿論、医療・福祉や教育の充実、農業再生や環境対策、防災・危機管理といった多様な行政需要を県政に反映し、県民本意の施策を遂行することが必要であることから、県民が将来に希望を持つことができる社会の実現に向けた予算が編成されるよう要望してきたところであります。また、第2次行革プランの策定に併せて、限られた財源の中で、社会状況・情勢の変化に対応した県民だれもが納得できる優先順位をとらえた改革とすることが必要であると訴えてまいりました。
 このたびの第2次行革プランでは、「兵庫の未来づくりに取り組む施策の推進」について、新たにその方策を掲げられ、その具体化の施策として、来年度の予算の目玉として、地域ビジョンや地域活性化実現のため、県、市町、地域団体が取り組む事業を支援する「地域の夢推進事業」が創設されました。この事業は、我が会派が主張してきた県民が将来に希望を持つことができる社会の実現に向けた予算として評価するものです。しかしながら、この事業の県民局ごとの配分基準について県民にとって解りにくい面もあり、また、この事業を効率的かつ効果的に実施するには、予算措置だけではなく、県民局の事業推進機能の強化も課題であります。
 また、来年度の国の予算において、我が民主党政権は、地域主権改革を推進するため、各省庁の抵抗を抑えて、国と地方の省庁縦割り関係を築いてきた補助金をやめて、自治体がもっと自由に使える交付金とする地域自主戦略交付金を都道府県分で5,120億円を確保したところであります。その活用について、今後、自治体としての裁量が試されるもので、単にこれまでの継続事業に充当するのではなく、県としての独自性を出し効率・効果的に実施していく必要があります。
 そこで、あらためて、今回の第2次新行革プラン、国の地域主権改革の動き、我が会派の主張も踏まえて、どのような事業・分野に重点をおいて、予算編成にあたってきたのか基本方針を伺うとともに、執行に当たって指摘した課題についてどのように取り組むのかお伺いします。

3 地域主権改革を先導するための関西広域連合の取り組みについて

 昨年12月1日に、関西全体にかかる観光や経済発展などの広域行政課題に取り組むことに加え、国の出先機関の事務の受け皿となるべく、井戸知事を連合長とする関西広域連合が設立されました。我が民主党政権が進める地域主権改革について、地域から進めていく起爆剤になると多いに期待しているところであります。
 国においても、昨年12月28日に、出先機関の事務を丸ごと受け入れるブロック単位の新たな広域行政制度を整備するための法案を2012年の通常国会に提出し、準備期間を経て14年度の移管を目指す、国の出先機関改革のスケジュールなどを示した「アクション・プラン」を閣議決定しました。その中で、丸ごと移管は、全国一斉ではなく、準備の整った地域から事務を移すことになっており、府県の垣根を越えた組織である関西広域連合に先行的に移管することは可能となっております。
 また、政府の地域主権戦略会議も、関西広域連合などを念頭に、「アクション・プラン」推進委員会の設置を決め、道路や河川、ハローワークなどの事務移管を検討する専門チームを立ち上げたところであります。
 このような動きの中で、これまでオブザーバー参加に留めていた神戸市をはじめとする4政令指定市が、「国の出先機関の権限が移譲される段階で」との前提条件がついているものの、関西広域連合に正式に参加することで合意され、国から地域への事務移管の「受け皿」となる体制づくりが深化し、関西広域連合の機能が高められることが期待されます。
 しかしながら、これまでから出先機関の移管について中央省庁は後ろ向きであり、また、関西広域連合には、奈良県が参加していないことから、関西全体の出先機関の事務を丸ごと受けられない状況にあると懸念する声も上がっております。しかし、関西広域連合は、府県の垣根を越えた組織であり、丸ごと移管は可能であり、地域主権改革を進めるモデル事業として、地方から取ってくると言う強い姿勢で臨む必要があります。
 また、関西広域連合を軸とした地域主権改革を定着させるには、住民の支持が欠かせず、出来るところから手掛けて実績を重ね、地域主権改革を確かにして行く必要もあります。
 そこで、地域主権改革を先導し、定着させるため、関西広域連合長でもある兵庫県知事としてどのように関西広域連合を運営し、如何に国の出先機関の移管を進めさせて行こうとするのかご所見を伺います。

4 将来へつながる雇用の取り組みについて

 一昨年のリーマン・ショック以降、本県の雇用は厳しい情勢が今も続いております。
 これまでから、雇用の場を確保するために、本県でも緊急雇用就業機会創出基金等を活用して、制度創設以来、平成22年11月末までに緊急雇用就業機会創出事業で6,762人、重点分野雇用創造事業で1,191人、ふるさと雇用再生事業で991人の計8,944人の雇用を創出しており、一定の成果が出ていると評価しております。
 しかしながら、基金事業雇用者の再就職状況をみると、緊急雇用で、これまでに事業が終了した3,326人のうち再就職の状況が判明した人が2,058人の中で、次の雇用につながった人が1,011人(49%)、22年度創設の重点分野雇用創造事業では、再就職の状況が判明した人242人の中で、55人(23%)、ふるさと雇用は、再就職の状況が判明した372人中、277人(75%)が雇用に結びついていますが、もっと高める必要があり、今後、事業が終了するにあたり、正規の雇用に結び付けていくために県としてもさらに努力が必要であります。
 また、来春卒業予定の大学生の就職内定率は、昨年の12月1日時点で68.8%と調査をはじめた1996年以降、最低の数字で、就職氷河期と呼ばれた2000年頃でも、70%を下回ったことがない状況であり、本当の就職氷河期と言えます。
 これは、リーマン・ショック以降、景気は緩やかに回復しているものの企業は、デフレや円高で景気の先行きに不透明感が強まっており、経営者の多くは景気の悪化を懸念しております。また、学生においても、企業の規模や知名度にこだわり、そうした企業に集中して内定を取るのが難しい状況になって、これが内定率の低下につながっております。卒業時に正社員にならなければ、その後、正社員になる可能性が低くなり、不安定な非正規雇用の就労を余儀なくされ、安定した収入を確保することが困難になることから、新卒者の就職支援が必要であります。
 国においては、新卒者雇用を支援するために、全都道府県に新卒応援ハローワークを設置するとともに、ジョブサポーターを2千人に倍増して支援を行っております。さらに菅総理の今年の所信表明演説でも、最も重視するのは雇用であり、これまでのように新卒者雇用を全力で支援するとともに、中小企業とのマッチングや職業訓練中に生活支援のための給付を行う求職者支援制度の創設など雇用を「つなぐ」取り組み、新成長戦略により潜在的需要の大きい医療・介護等の分野の雇用創出や企業の雇用増を優遇する雇用促進税制の導入による雇用を「創る」取り組み、雇用の海外流出を防ぐための低炭素産業の立地支援の拡充や雇用保険の基本手当の引き上げによる雇用を「守る」取り組みを行い雇用対策全般も一層充実させております。
 兵庫県においても、労働局等と連携して、新卒者雇用を支援しておりますが、県下の中小企業には、航空宇宙機器向け部品の微細加工をこなす工場、すぐれた溶接技術を持つ工場など、すぐれた特徴や個性を持つ企業も多く、それらの中小企業の把握ができるのは県であり、新卒者との橋渡し役として主導的な役割を担うべきであります。
 そこで兵庫県としても、臨時の雇用創出だけではなく、これからは将来につながる雇用の創出や新卒雇用の支援を本腰化する必要があると考えますが、ご所見を伺います。

5 児童虐待防止の支援体制の充実について

 我が会派は、児童虐待について、子どもの命と安全を守るため、国による法整備と、専門的なケア体制の整備や児童養護施設の小規模化などきめ細かな支援が行える環境づくりが必要であると、これまでから常に訴えてまいりました。
 昨年末、国において、児童虐待を防止するため、法務大臣の諮問機関である法制審議会の部会が、親権を一時的に停止できる制度の新設などを提言し、これに基づき、政府は今年の通常国会に民法改正案を提出する方針であり、法による体制整備が整いつつあります。
 一方で、きめ細かな支援が行える環境づくりについて、兵庫県では、昨年、児童福祉司の資格を有する相談調査調整員の配置など児童相談体制の強化を図ってまいりました。しかしながら、児童虐待に関する案件は、年々、多様化、複雑化しており、こども家庭センターの現行の職員体制で十分かは大きな疑問であり、さらなる人材の確保が必要であります。
 また、親の死亡や経済的理由などで、家庭で暮らすのが難しい子どもを育てる施設である児童養護施設について、全国で約570施設、3万人余りが生活しておりますが、近年、虐待を受けた子どもの入所が急増し、ここ10年間で児童数は1割以上も増えおります。その一方で、児童養護施設は、手狭な施設や十分と言えない児童の生活費・教育費、低賃金で働く職員の労働条件など様々な課題を抱えております。特に、虐待を受けた児童にとって、感情をコントロールできなかったり、職員に甘えて離れなかったりすることもあり、子どもが大人への信頼を取り戻すためにも、ケアが行き届くだけの態勢が欠かせませんが、今の職員配置では十分な対応ができない状況であります。
 昨年末に始まった人気漫画タイガーマスクの主人公「伊達直人」を名乗る人物からのランドセルなどの児童養護施設等への寄付は、全国に広がってきてはいるものの、善意だけでは、子どもの健やかな成長を支えることはできません。国でも、約30年振りに児童養護施設の職員の配置基準や施設の面積基準を見直す動きもあります。
 そこで、こども家庭センターや虐待された児童の受け入れ先となる児童養護施設などの児童虐待防止の支援体制の充実にどのように取り組むのかご所見を伺います。

6 国の農業政策転換に伴う今後の兵庫農業について

 現在、環太平洋パートナーシップ(TPP)の参加の検討にあたり、農業の再生・改革がクローズアップされておりますが、TPP問題が浮上する前から、農業の再生・改革の必要性は迫られております。
 過去20年で国内の農業産出額は27%減少し、働き手が平均66歳と高齢化し、後継者不足も深刻化、あと10年もすれば国内農業は自壊しかねない状況であり、また全国の耕作放棄地も20年間でほぼ倍増するなど、農業の再生・改革はまったなしの課題となっております。
 国においては、商工業との連携や、6次産業化を進めるとともに、農地集積による大規模化をはかり、若い人たちが参加する農業、豊かな農村生活を可能にしようとしております。その具体的な政策として、来年度は、農業者戸別所得補償制度の対象を畑作物に拡大し、大規模化の支援を厚くするとともに、安全でおいしい日本の食の魅力を海外に発信し、輸出につなげようとしております。さらに、日本の食と農林漁業の再生をテーマに、全閣僚が参加する「食と農林漁業の再生推進本部」を立ち上げ、6月を目処に基本方針を、10月を目途に行動計画を策定し、農林業の再生に取り組んでおります。
 兵庫県においても、農業就業人口は10年間で33%も減り、しかも65歳以上が68%を占めるなど高齢化が進んでおります。耕作放棄地も5,765ヘクタールもあることから、それらの解消のためにも新たな農業の担い手を育成することが大きな課題となっております。
 しかし、兵庫県には、牛肉、酒米、たまねぎなどブランド品や全国有数の生産量を誇る農産物も多く、また、大消費地の京阪神に近くかつ周辺に食品会社が多いことから、1次産業の農業と2次産業の製造業、3次産業の流通・サービス業を融合させた「農商工連携」に適しております。既に丹波黒大豆など、地域の産品を食品に加工し、百貨店やスーパーで販売しているが、企業家意識を持つ農業者と食品会社が手を組むことにより、販売ルートや品揃えを拡大することが可能であり、兵庫県は、まだまだ農業が発展する可能性をもっております。
 今後、組織化や企業化、地産地消、有機農業など新たな可能性に向けて一歩を踏み出す農家や、優れた経営能力とリーダーシップを併せ持つ人材を育成して行く必要があります。また、耕作放棄地等を含めた農地のあっせんなどによる新規就農者や企業参入の支援や担い手の大規模化なども必要であります。
 そこで、県では、現在、次期ひょうご農林水産ビジョンの策定を進めていますが、このように国が農業の再生・改革を進めようとする中で、今後、どのような兵庫農業を目指していくのか、ご所見をお伺いします。

7 公立小・中学校における特別支援教育の充実について

 平成19年4月から、特別支援学校の創設及び特殊教育を特別支援教育に改める等を内容とする学校教育法の改正が行われ、適切な指導及び支援を行う観点から、複数の障害種別に対応した教育ができるように、盲・聾・養護学校を特別支援学校にするとともに、小学校等における教育上特別の支援を必要とする発達障害のある児童生徒への支援を行う特別支援教育がスタートしました。
 本県においても、平成19年度から5ヵ年をかけて県立特別支援学校を再編・整備するとともに、各公立学校に特別支援教育コーディネーターを指名するなど、これまで障害児教育の対象でなかった学習障害や注意欠陥多動性障害など発達障害がある子どもへのきめこまかな指導が行えるようになり、高く評価されるものであります。
 それに加え、発達障害児等の在籍者が全国的に増加する中、兵庫県では、国に先駆けて、これまで人と意志疎通がうまくできない 自閉症やアスペルガー症候群、読み書きや計算の習得が困難な学習障害、衝動的に行動しがちな注意欠陥多動性障害などにより行動面が著しく不安定な児童生徒が在籍する学級支援のため、教員免許状を保有する非常勤のスクールアシスタントを配置しているところであり、学校現場や保護者から高い評価を得ております。しかしながら、当制度については、国の地方交付税措置ができたことから、特別支援教育支援員を配置する市町単独事業となり、県補助金は本年度限りで廃止されます。
 我が会派は、スクールアシスタント配置事業の補助金廃止によって、施策が後退しないよう、新たな措置を講じる必要があると求めたところ、LD・ADHD等の理解と支援をするため小・中学校における体制の充実において、市町が配置する特別支援教育支援員が、教員と緊密な情報交換等を行いながら、児童生徒への適切な対応を図ることができるよう、県として支援員への指導助言や資質向上の取り組みを充実する方向性を示されたことは評価するものであります。その実施に向けて効果を上げる具体的な取り組みが大切であります。
 一方で、兵庫県下の公立小・中学校の特別支援学級に通う児童生徒数は、平成22年5月1日現在、5,642人と2年前に比べると507人増加しており、そのうち自閉症・情緒障害は2,100人と2年前に比べると337人と増加しております。
 また、障害がある子どもを持つ親の中には、地域の交友関係等を考えて、なるべく公立小・中学校に通えることを望んでいる方も多くいます。そのような声のある中、「障害者を特別視するのではなく、一般社会の中で普通の生活が送れるような条件を整えるべきであり、共に生きることこそノーマルであるという考え」つまり、ノーマライゼーションの理念に基づく教育を推進している府県もあり、本県でも取り組む必要もあると考えます。
 しかしながら、公立小・中学校における特別支援学級の現状については、児童生徒数の増加に対応した専門性のある教諭やサポートする職員が十分に養成できていない状況であります。さらに、障害の多様化が進み、それぞれにあった指導も必要となっていることから教育内容の充実や教員の増員も課題となっております。
 そこで、LD・ADHD等の児童生徒への対応も含めて、県下の公立小・中学校における特別支援教育の充実についてどのように取り組むのか方針を伺います。

8 治安向上のための優秀な人材確保・育成について

 兵庫県警でも、団塊世代の大量退職の時代を迎え、警察官の人材の確保が問題となり、毎年500~600人台という大量採用を行なっております。さらに、最近の治安情勢は、刑法犯認知件数が減少するなど改善傾向にあるものの、市民生活に大きな不安と脅威を与える事件が相次いでいるほか、殺人罪等の公訴時効の見直し、サイバー犯罪の急増、犯罪死の見逃し防止等の緊急に対処すべき課題が生じていることから、国の負担による警察官が兵庫県でも42名増加されることになります。
 これまで以上に、警察官の採用が必要となりますが、近年の大量採用が続く中で、少子化による就職適齢人口の減少などにより、採用試験の受験者数は伸び悩み、平成17年以降、競争率は10倍を下回っており、また募集数に対して合格者が下回っている年もあります。昨今の経済不況の中で、警察などの公務員を希望する若者が増加すると見ていましたが、警察官の募集は伸びてきておりません。これは、警察というのはまだまだ3K、「きつい」、「汚い」、「危険」というイメージが少なからず残っているのではないかと考えます。
 また、過去10年間に兵庫県警に採用された警察官のうち、約1割が現場に配属される前の警察学校在籍中に退職しております。退職の理由としては、「集団生活が苦手」「訓練についていけない」などが目立ち、理想と現実の間で悩む新人の姿が伺えます。
 人の命と安全を守る警察官については、どんな人材でもいいから人数を確保する必要はありませんが、ある程度の人数を確保する必要があります。
 そのためにも、採用前から、警察官のやりがいや魅力を伝える必要もあり、例えば、警察署における大学生・高校生のインターンシップの実施や、中学生のトライやるウィークの受け入れなど、業務に支障がない限り積極的に受け入れ、現場を経験してもらうことも重要ではないかと考えます。また、他府県では、育児のために退職した女性警察官を再採用している事例もあり、大いに活用すべきであります。
 そこで、兵庫県警として、治安向上のため、警察官として優秀な人材の確保及び育成についてどのように取り組む方針なのか、ご所見を伺います。

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