池畑浩太朗議員が質疑を実施

第306回定例会(9月)質疑
2010年10月6日(水)

 私は、民主党・県民連合議員団を代表して、本日知事から提案のありました平成22年度補正予算案に対し、質疑を行ってまいりたいと思います。

1 国の経済対策に対する評価について

 まず1点目は、国の経済対策に対する評価についてであります。
 我が国の経済・雇用情勢は、一部に持ち直しの動きがあるものの、景気回復は減速傾向を示しており、加えて8月からの急激な円高の進行もあり、明るい兆しは確認できないような状況にあります。
 先日、日銀が発表した2010年9月全国企業短期経済観測調査(短観)によると、全産業における業況判断指数(DI)はマイナス10となり、前回の6月短観から5ポイント改善しましたが、12月予測はマイナス17となっており、先行きへの大きな不安を示す結果となっています。
 そういう中にあって、国においては、円高等の景気下振れリスクへの対応、デフレ脱却の基盤づくりのための緊急的対応のため、経済危機対応・地域活性化予備費を活用した約9,200億円の経済対策を講じることを、9月24日に閣議決定しました。
 さらに、今月1日の所信表明演説において、総理は、①雇用・人材育成、②新成長戦略の推進、③子育て、医療、介護、福祉、④地域活性化、中小企業対策、⑤規制緩和、などを柱とする補正予算を編成し、臨時国会に提出することを表明し、これらの措置を講じ、減速感ある景気を下支えし、元気な日本の復活を目指しております。
 本県においても、非常に厳しい経済・雇用情勢を受け、国の予備費に呼応した形で、今回、約150億円の補正予算案を提案しましたが、時機を捉えた対応として評価するところであります。
 そこで、今回の経済危機対応・地域活性化予備費を活用した、国の経済対策について、県としてどう評価しているか、まずお伺いします。

2 緊急雇用就業機会創出事業の実施について

 2点目は、緊急雇用就業機会創出事業の実施についてであります。
 我が国の経済・雇用情勢は、先に述べましたように、全産業における業況判断指数の12月予測がマイナス17となるなど、先行きへの大きな不安感、不透明感が漂っています。
 そういう中にあって、国においては、円高、デフレへの緊急対応として、新成長戦略実現に向けた3段構えの経済対策を9月10日に閣議決定し、「雇用」を機軸とした経済成長の実現などをめざし、経済成長で「雇用を創る」、国内雇用の空洞化を防止し「雇用を守る」、マッチング強化により「雇用をつなぐ」、これらの取り組みで国民全てが意欲と能力に応じて働ける社会の実現をめざすこととしています。加えて、先に述べましたとおり、その具体的対応として、予備費を活用した経済対策を講じることを決定しました。
 本県では、新行革プランによる取り組みを進める厳しい財政状況の中、昨年5月の緊急的な需要創出や金融・雇用対策等のための補正予算に始まり、9月、10月には台風や新型インフルエンザに対する緊急対策のための補正予算、そして今年2月にも緊急経済・雇用対策等のための補正予算を編成し、平成22年度当初予算と合わせた14ヶ月予算として、緊急経済・雇用対策を最優先課題として、県民生活の安定に努めてこられたところであります。
 そういう中で、本県の雇用情勢は、8月の有効求人倍率が0.52倍と依然として低く、相変わらず厳しい状況が続いております。今後、本格化する新規高卒予定者等の就職に影響が生じ、昨年度以上に厳しい結果とならないか危惧されます。
 こうした中で、今回、提案された補正予算案は、国が対策実施を決定した予備費に対応した施策や事業を盛り込んで提案されたものとなっており、経済指標が示すように、非常に先行きが不透明な経済状況の中で、新卒者等への悪影響の懸念も踏まえ、素早く経済・雇用対策を講じていくことについて、大いに評価し、期待するところであります。
 そのうち、緊急雇用就業機会創出事業については、国では「雇用」の基盤作りとして「重点分野雇用創造事業」の拡充に予備費で1,000億円計上され、県でも今回約20億円の提案となっています。重点分野雇用創造事業では現在、「介護」「医療」「農林水産」「環境・エネルギー」「観光」「地域社会雇用」の6つの分野に重点化して取り組んでいますが、その対策強化に当たっては、厳しい状況にある若年者などをターゲットとするとともに、代表質問でも指摘しましたが、より実効性のある取り組みでなければなりません。
 そこで、特に、厳しい状況にある若年者の雇用についての対策強化という観点も含め、今回の補正予算における雇用対策強化の考え方について伺います。

3 県単独生活関連道路緊急対策事業の実施について

 3点目は、県単独生活関連道路緊急対策事業の実施についてであります。
 今回の補正予算では、国の予備費における1,671億円の地域の防災対策に対応し、道路、河川等の防災対策の約27億円、農地の湛水(たんすい)被害等防止対策の約10億円などを含む約56億円が提案されています。さらに、県単独の防災対策として河川、砂防、治山(ちさん)ダム等の整備に15億円、そして県民生活の利便性向上のための生活関連道路対策の15億円を加えた、合計約90億円の投資的な事業が提案されています。
 我が会派においては、従来から、このような投資的な事業は、事業規模の精査と真に必要な事業を優先順位をつけて実施することを主張してきていますが、今回の補正予算で提案されている事業については、地域の防災対策、県民に身近な生活対策として実施されるものであり、県民の安全・安心のために優先的に実施しなくてはならない事業ばかりであると理解します。
 そういう中で、緊急時の避難路確保やすれ違い困難箇所の解消や、豪雨による舗装面の亀裂補修等を、県下91箇所で行う「県単独生活関連道路緊急対策事業」の実施については、県民の身近な部分での安全・安心や利便性の向上につながることから、大規模プロジェクト事業に比べて、費用対効果等の面も含めて、県民の理解も得られやすく、積極的に推進すべきと考えます。また、新行革プランにおける投資事業改革の基本方向である、「つくる」から「つかう」の視点に沿った取り組みであり、かつ限られた財源の中で国の交付金を活用した事業でもあることから、大いに評価するところであります。
 そこで、今回の補正による「県単独生活関連道路緊急対策事業」について、91箇所の事業箇所選定の考え方を含め、今回の補正予算での整備の考え方を伺います。

4 地域子育て創生事業について

 最後4点目は、地域子育て創生事業についてであります。
 我が国においては、急速な少子・高齢化が進んでいます。2010年の高齢化率は23.1%であり、2025年には30%に達するとも言われる中、本県においても同様に高齢化率は22.4%と高い数字を示しています。一方で、兵庫県の合計特殊出生率は2005年の1.25から改善し、2009年には1.33となっていますが、全国都道府県との比較では34位という状況にあります。
 そういう状況の中で、本県における少子対策は喫緊の課題となっており、これまで、ひょうご仕事と生活センターを設置し、ワークライフバランスの推進に先導的に取り組むとともに、法人県民税超過課税を活用して対策を行うなど、総合的な対策を講じてきています。さらに、今回の補正予算案においても、地域子育て創生事業として、総額1億2,300万円で全33事業の追加提案をされており、子育て支援等を通じ、少子化に歯止めをかけようと必死に取り組まれようとする姿勢について高く評価します。
 また、全33事業のうち、31事業が新規事業の提案であります。その財源となっている安心こども基金が充当できる事業かどうかとの制約もあるかと思いますが、少子対策は、各分野、各方面からのアプローチによって取り組むべき課題であることは言うまでもないと考えます。
 そこで、今回提案された事業について、少子対策の課題や事業実績の検証等を踏まえ、提案されたものと考えますが、その検証状況を含め、実施事業に関する考え方について伺います。

 以上で、民主党・県民連合議員団を代表しての平成22年度補正予算案に対する質疑を終わります。ご静聴ありがとうございました。

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