藤井訓博議員が質問(予算審査・教育委員会)を実施

第308回2月定例会 予算特別委員会質問(教育委員会)
2011年3月9日(水)

1 教職員の勤務環境の改善について

(1) 教職員の勤務時間の適正化について

1.学校業務改善の取り組みと評価について

 教育委員会では、平成21年度に策定した「ひょうご教育創造プラン」に基づき、兵庫の未来を担う子どもたちの教育に鋭意・積極的に取り組んでこられていることに心から敬意を表します。そして、この「ひょうご教育創造プラン」に示された兵庫教育の目的の実現にあたっては、学校現場で直接、子どもたちと向き合う教職員の役割が最重要であることは言うまでもありません。
 教職員には、「教育の専門家」として児童生徒との信頼関係を基盤とし、人間形成についての深い理解と限りなき情熱を持って、いきいきとして教育活動を展開することが求められております。
 しかしながら、教職員の勤務環境を見れば、平成20年度に実施された勤務実態調査によると、1日当たりの超過勤務時間は、小学校で全国1時間40分に対して兵庫県で1時間58分、中学校で全国2時間13分に対して2時間33分と20分近く上回っている現状があります。
 さらに、様々な要因があるにせよ、兵庫県で1ヶ月以上病気休職した公立学校教職員は、平成21年度で186人にのぼっている現状も報告されているところであります。
 この多忙化の要因は、調査・報告書の作成など事務処理にかかる時間が多いとか、部活動の指導に時間を要しているのか、また本来の業務とは言えない業務の混在等、小中学校により課題は違っていますが、多忙化の原因・背景にある課題の解決が必要であります。
 兵庫県では、平成21年3月に、学校現場における負担軽減を図るために、「教職員の勤務時間適正化対策プラン」として提言を受けております。
 そこで、この提言を受けて、教育委員会として、これまでどのように取り組んできたのか、またその評価について伺います。

2.今後の取り組みについて

 これまでの取り組みとその評価について答弁をいただいたが、現場の先生方の中には、まだまだ勤務時間適正化の実感がわかないとの声を聞く。
 地域、保護者、子どもたちの教育に対する価値観の変化や社会情勢の変化等で、教育現場を取り巻く課題が多岐にわたること。また、子どもたちを取り巻く状況も大きく変化する中での対応も困難に拍車をかけていると思います。
 教職員の勤務時間適正化対策プランが掲げる「教職員が心身ともに健康で、児童生徒と向き合う時間を確保し、教育活動をさらに充実させる」目標を真に達成するにはこれまで以上の取り組みが必要であります。
 そこで、目標達成に向けた課題をどのように認識し、来年度はどのような点を重点に取り組んでいく方針なのか伺います。

(2) 教職員への支援体制について

 学校現場の教育課題は、いじめ、問題行動等に加え、近年の児童虐待やいわゆるモンスターペアレントへの対応など山積しております。
 これらの課題に対応するには、管理職がリーダーシップを発揮し、学校の教職員全体の対応体制を構築していくのは勿論であるが、カウンセラーなど専門的見地からの外部からの支援も欠かせません。
 そこで、小中学校において、トータルとして教職員への支援体制を充実する必要があると考えるが所見を伺います。

2 特別支援教育支援員活用推進事業について

 今次の行革プランにおけるスクールアシスタント配置事業の補助金廃止については、3年間の経過措置の中で、当然、各市町において、廃止後の対応を考えたこの3年間であるべきでありますが、各市町によって、来年度に向けた、継続的な取り組み方策についても軽重があり、その影響を受けるのは対象となっている子どもたちであります。
 その為、私たちの会派では行革プランにおいて、この施策が後退しないよう、市町への強力な指導は勿論のこと、補助金廃止後、新たな措置を講じる必要があると求めたところ、LD・ADHD等の理解と支援をするための小・中学校における体制の充実において、市町が配置する特別支援教育支援員が、教員と緊密な情報交換等を行いながら、児童生徒への適切な対応を図ることができるよう、県として支援員への指導助言や資質向上の取り組みを充実する方向性を示されたことは大いに評価し、期待するものであります。
 この事業については、各地域の6教育事務所を核として支援を展開されますが、教育事務所がない神戸市についても、当然、施策の目的に沿って、遺漏なく実施されることと思います。
 そこで、神戸市内における特別支援教育支援員活用推進事業について、どのように展開するのか、具体的な説明をお願いします。

3 公立高等学校普通科の通学区域の検討等について

(1) 通学区域の検討について

 教育委員会では、平成21年度から高等学校の通学区域のあり方について検討を行っており、平成22年4月には、「生徒にとって望ましい選択肢を確保するとともに、現行の学区の課題を解決し、魅力ある高校づくりをさらに推進するためには、学区を統合し通学区域を広げる必要がある」との基本方針が検討委員会から示されました。その基本方針を受け、教育委員会では、保護者などの県民に意見を聞くために、1月に地域説明会・意見交換会を開催するとともに、インターネットを通じて意見募集を行われました。
 しかしながら、その意見募集の方法については、ホームページ上で募集することと併せて、小中学校の保護者あての文書も配布されましたが、意見を述べようにも、現在通学区域の見直しの検討が行われていることさえ知らない保護者も多く、なぜ今通学区域の見直しを行う必要があるのかという理由や背景がよくわからないとの意見もあります。また、進路指導する中学校にとっても、今回の見直しにより、それぞれの学校にどのような影響が出るのか分からないという声も聞いており、中学校においては、様々な説が飛び交っているとの声も聞きます。
 今回の通学区域の検討は、子どもが希望する高校を受検できることになるのかなど、子どもの将来にかかる重要な問題です。そこで、まず今回の通学区域の検討に至った背景として、現行の通学区域にどのような課題があるのか、また通学区域の拡大による効果と課題、つまりプラス面とマイナス面について伺います。また、保護者や県民の理解を得ながら見直しの検討を進めるためには、これからも、学校関係者、地域住民、生徒達にも、丁寧な説明や意見聴取の機会を設ける必要があると考えますが、所見を伺います。

(2) 経済的負担等も配慮した選択肢の確保について

 今回の通学区域の検討にあたって、生徒にとって望ましい選択肢を確保するとしておりますが、一方、公立高校の授業料は無償化になったものの、通学等にかかる費用の面などから、生活基盤のある地元公立高校に通いたい、通わせたいと希望する生徒や保護者は多くいます。
 例えば、人口8万人の三木市には公立普通科高校が4校設置されているものの、同規模の人口である私の地元、神戸市の北神地区には、公立普通科高校は1校しかなく、地域によっては選択肢の幅が狭まっております。また、同地区の一部の中学校からは、三田市の公立普通科高校や三木市の公立普通科高校を受検できるものの、学区内のほとんどの公立普通科高校は、六甲山より南側にあり、通学にあたっては神戸電鉄を利用するために通学に通学費用と通学時間の負担が大きいことなどから、地元、北神地区では、都市におけるドーナツ現象にあり、居住者が急激に増加している中、地域内に公立普通科高校の設置を求める要望が強く出されています。
 この例にもあるように地元高校に通いたいという多くの声に対して、県として、公立普通科高校の配置について、地域的なバランスも考慮に入れて、将来的には高校新設も含めた公立普通科高校の適正配置の検討を行う必要もあるのではないかと考えています。
 そこで、現在通学区域の見直しの検討を行う中で、例えば私の地元の北神地域をはじめとして、経済的な負担や生徒の通学時間も配慮した上で高校の選択肢の確保が必要な地域について、県教育委員会として、どのような方策を考えようとしているのかご所見を伺います。

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