岡やすえ議員が質問(予算審査・県土整備部)を実施

第304回2月定例会 予算特別委員会質問 (県土整備部)
2010年3月10日(水)

1 緊急雇用就業機会創出基金事業について

 本県では、一昨年12月に知事を本部長とする緊急・経済雇用対策本部を設置し、昨年の5月まで数次にわたる補正予算を編成してきました。
 雇用面の対策では、失業者のために、緊急雇用就業機会創出事業として、国の交付金を財源に基金を造成・拡充し、県事業による雇用創出数について目標を定め、原則6か月未満の雇用就業機会の提供に努めてきたわけですが、今なお県下の新規求職者数は増加しており、雇用情勢は依然として厳しい状況にあります。
 そこで、県土整備部が社会基盤・公共施設の管理等の分野で、これまで実施してきた緊急雇用機会就業創出事業について、雇用創出数の目標に対する達成状況とともに、この事業の実施によって正規の雇用・就業にどの程度結びついたのか、その評価と課題についてお伺いします。

2 公共交通の再構築について

 人口減少社会の到来や、昨今の景気低迷が路線バスやローカル鉄道の撤退に追い打ちを掛けており、とりわけ高齢者や障がい者が地域で生活していくために、公共交通の構築は、今の社会にとって喫緊の課題と言えます。
 公共交通の衰退は、交通手段を奪われ、車にも乗れず、スーパーまで買物に行けない、いわゆる買物難民の発生や、病院に行きたくてもいけないというように、日々の生活に支障を来す高齢者や障がい者を今後ますます増加させると思われます。
 新たな公共交通確保への取り組み事例として、福島県や愛媛県では、自治体とタクシー事業者等が協力し、「デマンド型乗合タクシー」を導入したり、まちの中心部まで15キロ離れ高齢化が進んでいる青森県のある町では、3つの集落が町とバス会社で協議会をつくり、3集落全世帯が毎月2千円分の回数券を購入するという住民参加方式でバスの運行を行っており、このような取り組みも注目すべきではないかと考えます。
 一方、本県では、コミュニティバスや路線バス維持確保への支援をはじめ、少子高齢化の進展等の社会情勢の急速な変化を踏まえ、平成18年3月に「ひょうご交通10カ年計画」を策定し、地域の交通課題に対応する各種の施策が推進されようとしています。
 しかし、利用者数の減少傾向が続き、民間バス会社、地方鉄道の多くが赤字を抱える中、事業者だけで公共交通を維持していくことは課題も多く、今後、高齢者や障がい者が移動する権利を保障していくことは困難だと考えます。
 「ひょうご交通10カ年計画」で地域の交通課題に対応する各種の施策を推進するとありますが、県が交通事業者や地域住民と一体となって、地域の実態に合った公共交通の再構築を進めなければ、高齢者や障がい者の移動の権利は確保できません。
 そこで、これら施策をどのように展開していかれるのかお伺いします。

3 ノンステップバスに対応したバス停の整備について

 県では、公共交通のバリアフリー化を促進するため、民間バス事業者のノンステップバス等の購入に対し、これまでの累計で約280台の支援を行ってきました。
 ノンステップバス導入への支援は、誰もが安心して生活できる福祉のまちづくりを実現する上で非常に有意義な事業であると考えますが、利用者から、バス停に段差があったり、坂道に設置されているバス停では、車いすや高齢者が利用する際、非常に乗りにくくノンステップバスの機能が活かされていないという声が寄せられています。
 つまり、せっかくノンステップバスを導入しても、現状では、その導入スピードにバス停の整備が追いついていないという現状があるではないかと思われます。
 そこで、県では、このようなノンステップバスに対応できていないバス停の課題について、今後、市町との連携も含めてどのような対策を考えておられるのか、所見をお伺いします。

4 建設工事における技術・社会貢献評価制度について

 本県では、価格だけで評価していた従来の落札方式と異なり、品質を高めるための新たな技術力やノウハウ、地域固有の社会貢献への活動状況など、価格以外の要素を含めて評価する「総合評価落札方式」の導入に早くから着手するとともに、入札参加資格に、企業の社会貢献度を加味する技術・社会貢献評価制度を創設するなど、入札・契約制度の改善に取り組んでこられました。
 とりわけ、建設工事の入札・契約においては、品質を確保するための技術力とともに、障がい者雇用や男女共同参画社会づくり、環境問題などの社会貢献に対する取り組みを高く評価することは、発注する側の県にとってもメリットがあるだけでなく、公共事業が抑制される中、企業側にとっても競争力を高めるという点でメリットが大きいと考えます。
 そこで、建設工事における技術・社会貢献評価制度での技術評価と社会貢献評価について、具体的な活用と配点がどのようになされているのか、お伺いします。

5 「高齢者専用賃貸住宅」の課題と県の役割について

 高齢者の賃貸住宅へのニーズが増大する中、平成17年度から、都道府県知事に登録された高齢者専用賃貸住宅、いわゆる高専賃の登録制度が開始されましたが、登録件数はここ数年大幅に増加しており、今年2月末現在で2,269戸に上っています。
 特養等の施設入所の待機者増や、住まいに多様性を求める入居希望者の増加等で、今後、多様な高専賃の市場への参入が予想されます。団塊世代の大量退職に伴う今後の住まいへのニーズの多様化も、これら高専賃の供給を後押しすることも十分考えられます。
 高専賃については、総務省の勧告等を受け、昨年5月の法改正で、運営事業者に対する管理状況の報告徴収義務など県の役割が強化されましたが、住宅の入居状況が登録情報となっておらず、また、設備や料金、サービス内容が千差万別で、利用者保護の観点から情報開示の充実が求められていること、さらに、高齢者の身体特性への配慮など、住宅供給サイドと福祉部門の連携といった視点が求められるなど、まだまだ改善すべき点は少なくないと考えます。
 高齢者が求めるニーズの多様化を背景に、今後も高専賃へのニーズはますます高まるものと思われますが、県として、このような高専賃の課題と役割をどのように捉え、今後の高齢者の住宅需要に応えていくのか、ご所見を伺います。

6 中心市街地の活性化について

 中心市街地は、商業、事業所、住居、公共施設などの機能が集まり、長い歴史の中で文化、伝統を育んできた「まちの顔」とも言うべき地域です。
 しかし、居住人口の減少や空き地の増加などによる魅力の低下とともに、中心市街地の衰退が進み、人影がまばらな商店街は全国各地に、そして県下にも多く見られます。少子高齢化の進行する中、若者だけではなく、高齢者や障がい者が安全・快適に住まい活動しやすい、将来を見据えたまちづくりが今、求められていると思います。
 このような中、産業労働部では、来年度の新規事業で、空洞化が進む商店街の再生を支援する「商店街・まち再生プランづくり事業」、さらに、空洞化が進む商店街や再開発ビルにおいて、未利用店舗や未利用地の有効活用を支援する「商店街・まち再生整備事業」を打ち出しており、事業内容は、いずれも空き店舗、空き地等を活用した商業施設、駐車場、住宅等の整備等、まちづくりと一体となった商店街の再生を図る事業に補助しようとするものです。
 元気で意欲的な高齢者が増加する今の時代にあっては、県土整備部と産業労働部、健康福祉部とが連携を図り、高齢者が活動する場づくりという視点で、まちづくりや商店街等の活性化を考えることが重要です。
 元気な高齢者が地域のニーズに応えるサービス提供も可能とし、運営については、そこに集う高齢者を中心にさまざまな形があっても良いのではないかと考えます。
 空洞化が進む市街地において、便利なまちの中で元気な高齢者の居場所があれば、商店街やまちの元気、社会参加がよりやりやすくなることでもあり、まちづくりへの視点のあり方とまち全体が活性化するための施策の展開について、どのような所見をお持ちなのかお伺いします。

7 県民まちなみ緑化事業について

 本県では、県民緑税を活用し、住民団体等が実施する緑化活動を支援する県民まちなみ緑化事業を推進しておられます。
 県民まちなみ緑化事業については、100万円を超える事業の全てを(財)兵庫県園芸・公園協会の「花と緑のまちづくりセンター」に委託し、土壌改良の方法、樹種の選定等について、センターの技術審査や指導を受けている実態があったことから、一昨年の決算特別委員会の場で、経費や事業実施の効率性の面から、全てを同協会に委託する必要性に疑問を感じ、早急に改善すべきとの指摘をさせていただきました。
 そこで、県民まちなみ緑化事業の100万円を超える事業の園芸・公園協会への委託について、一昨年の指摘以降、どのように改善がなされたのか、対応をお伺いします。

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