石井健一郎議員が質問(予算審査・県土整備部)を実施

第304回2月定例会 予算特別委員会質問 (県土整備部)
2010年3月10日(水)

1 但馬空港について

但馬空港は、但馬地域の高速交通の利便性を高めるコミューター空港として、また、地域の振興のために整備され、平成6年に開港しました。多額の費用を投じて造成したものであり、一つの大きな拠点として有効活用しなければならないと考えておりますが、現在の周辺環境は厳しいものがあります。本年10月には羽田空港の新滑走路の利用が始まりますが、但馬からの羽田直行便が実現する可能性があるかもしれないという節目の年を迎えるに当たって、ここで一度、但馬空港のあり方、問題があるならば問題点についてしっかりと整理してから、今後の活用について考える必要があります。
県としては費用対効果の面からも改めて県民にはっきりと示し、しっかりと県民の合意を得てから、引き続き但馬空港を一つのしかけとして但馬地域の振興について考えるという姿勢が必要ではないかと考えておりますが、以下お伺いします。

(1) 伊丹便について

1 JAL経営破綻の影響について

 質問を行おうと思っていたが、県が補填しているため影響がないとのことであり、県が補填しているからというのもどうかと思うが、時間の関係もあるので、影響ないと判断して、次の質問に移る。

2 伊丹便の運航見通しについて

 北近畿豊岡自動車道は平成23年度中には八鹿まで延伸する予定です。また今年6月からは舞鶴若狭自動車道が無料化される予定であり、但馬地域と阪神間の高速道路アクセスが大きく向上するため、航空機利用者が航空機から自動車利用へシフトする可能性があります。
 また、現在、先日の但馬空港推進協議会の総会では、本年度の伊丹便利用者の実に約3分の1以上が、伊丹乗り継ぎ羽田の利用となっていることが報告されています。これは羽田直行便が実現すれば、その乗客は当然羽田直行便へシフトすることが予想されることになります。さらに、現在の但馬便で使用している機材であるサーブ機は既に15年が経過し耐用年数を迎えるということも考えていかなければなりません。このような状況を考えると、伊丹便の航路維持はなかなか難しいところがあると思いますが、伊丹便運航の見通しについてどのように整理されているのかお伺いします。

(2) 羽田直行便について

 ジェット機就航のために滑走路を延長するという構想があったように聞いております。約100億円で整備が可能であるという話もございましたが、現在の社会情勢を考えるとその是非は今あえて申し上げません。基本的には羽田直行便を運航するとしても、現在の施設をそのまま活用することを前提に考えているものと認識しています。

1 羽田直行便就航の際の機材・航空会社の想定について

 現在の伊丹便は36人乗りのサーブ機で運航されています。滑走路の制限もありますので自ずと運航できる機材は限定されてくるわけでありますが、今後、羽田直行便就航した場合、その航空機はどのような機材を想定しているのかお伺いします。
 また、機材によって運航する航空会社も限定されてくるのではないかと考えております。現在、どのように想定し、交渉や準備を進められているのかお伺いします。

2 羽田直行便の需要見込み等について

 先程も申し上げたとおり現在、伊丹便利用者の約3分の1強が伊丹空港乗継羽田を利用しているとのことであります。直行便となれば確かにその利便性は大幅に向上するので、新幹線利用からの転移も予想されますし、首都圏からの観光客・ビジネス客も新たな需要として期待されるところであります。機材等により旅客数等、その前提条件は相当限られていると思いますので、ある程度羽田直行便就航の際の需要見込みも想定されていると思うのですが、現在どのような見込みをされているのかお伺いします。

3 羽田直行便の費用対効果について

 但馬-羽田便についてもなかなか採算の取れる路線になるとは考えにくく、現行の伊丹便と同様、赤字補てんや運賃助成を県としては但馬地方の振興策として政策的に継続して行う必要があるのではないかと考えております。また、例えば運航してくれる航空会社が路線開設にあたり充当できる機材を持っていない場合は、伊丹便のサーブ機のように県が購入し、リースするということも考えなければならない状況も生まれてくるのではないかと考えております。
 そういった中、従来からの但馬空港の運営管理費に併せて、更に相当の公費支出が生じる可能性がありますが、この点について県ではどのように試算しているのか。運航会社が決まらなければ精査はできないとしても、羽田直行便実現を目指すとしている以上は、どの程度までなら公費を支出する意義があると考えているのかお伺いします。

(3) 但馬空港に対する県民の理解について

 そもそも但馬空港の設置にあたっては180億円を、サーブ機の購入に補助金として約6億円を掛けています。また毎年の運航に係る費用として、これまでの説明では、運航対策費に約1億5千万円、空港管理費に約1億9千万円を要しているということでしたが、平成20年度の決算書などをもとによく聞いてみますと、これ以外の費用として、伊丹便に係る着陸料等の免除額が約300万円、空港管理事務所職員の人件費が約6千万円、但馬空港公園の維持修繕費が約2億3千万円と、但馬空港関連としては総額で年間6億円を超える公費が支出・負担されています。また、現在県のサーブ機を伊丹出雲路線にも使用するとして、JACから年間約600万円の使用料を、県の出資会社である但馬空港ターミナル㈱が収入していますが、この使用料は本来的には県のものだとすれば、この分も県の負担と見ることもできます。この他にも、但馬の各自治体が運賃助成を行っており、ちなみに豊岡市では、大人普通運賃12,400円に対して7,000円を助成し、区間によってはJRよりも安い料金となっております。地元の努力は尊いものであり、この負担に関して私の方から特段申し上げることはありませんが、年間29,000人の旅客に対して、これだけの県費・公費を使うことについては、改めて地元市民の皆さんにはもちろんのこと、県民の皆さんに十分ご理解を頂かないわけにはまいりません。
 さて、その一方で、但馬地域の生活バスの路線を維持するため、県は但馬地域で約1億円の補助金を交付しています。政策的な側面があるので一概にその結果や金額の多い少ないということには踏み込みませんが、以前にも質問したとおり、このことは地元の皆さんの願い、総意なのか。但馬空港にの運営について但馬地域以外の県民の皆さんの応援と理解を本当に頂けているのかと考えさせられるところがあるわけであります。
 但馬空港の必要性についてのこれまでの県の答弁では、例えば災害時に防災拠点としての役割があった、豊岡の工業団地の売却が進んだ、豊岡カバンのニュービジネスの広がりに貢献している等とありましたが、そもそも空港の使命はどれくらいの人の移動に貢献したかということが本筋であって、それを以ってして但馬空港が必要だというには、いささか説得力に欠けていると感じます。
 但馬空港が但馬地域振興のための機能としてあった方がいというご意見はその通りでありますが、現在の状況として、県の財政状況から見てもその置かれている立場は厳しい状況にあるわけであります。最初に申し上げたとおり、ここは一度これまでの経過をしっかりと整理をし、今後の但馬空港のあり方をしっかりと県民に指し示す必要があるのではないかと考えますとともに、県として今後とも出来る限りの努力はするとしても、まず、地元である但馬地域が官民一体となって、一丸となって但馬地域振興の必要性を県民全体にアピールし、県民の理解をしっかりと得て、オール兵庫で取り組みができるようにしていかなければならないと考えるところですが、県当局としてのご所見を伺います。

2 ハーバーハイウェイの活用について

 現在、尼崎公害の問題等もあり政策的に阪神高速3号神戸線の交通量を減らすため、環境ロードプライシングが実施される中、神戸線摩耶ランプから湾岸線住吉浜ランプまで5号湾岸線への乗り継ぎが行われております。結果として乗り継ぎ経路である神戸市道灘浜住吉川線は渋滞が恒常化していますが、この周辺は一戸建て住宅や一般集合住宅が増え、恒常的な渋滞による住環境悪化も懸念されています。
 この問題はハーバーハイウェイを経由する乗り継ぎ経路を使用することにより解決しますが、この有効な乗り継ぎ経路が使われてない理由は、ハーバーハイウェイが有料であるということです。ハーバーハイウェイは神戸市が所管していますが、既存施設の有効活用の観点からも、ハーバーハイウェイの通行料金の無料化に向けての仕組みづくりを、兵庫県、阪神高速道路㈱、神戸市の間で早急に取りまとめて頂きたいと以前より強く要望しているところです。
 そもそも神戸市域ではハーバーハイウェイや新神戸トンネルが、各阪神高速と乗り継ぎ機能を持っており、これらとの一体化を図らなければ、高速道路ネットワークとしての利便性向上は実現しませんが、管理者が異なるこれらの道路を一体化した高速道路体系として活用することは調整が難しいことも承知はしています。しかし、尼崎の公害問題は解決しなければならない大変重要な問題ではありますが、そのことにより別の地域に新たな問題を引き起こすことは看過できません。
 神戸市域の高速道路ネットワーク構築ということもありますが、それよりも新たな環境問題としてとらえて頂き、速やかなこの乗り継ぎ問題の解決に向けての積極的な県の役割を期待するところです。そこでこの乗り継ぎ問題に対する当局の考え方とあわせて現況、そして今後の方針についてお伺いします。

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