上野英一議員が質問(予算審査・企画県民部1)を実施

第304回2月定例会 予算特別委員会質問
(企画県民部(知事室、政策室、県民文化局)、部外局)
2010年3月4日(木)

1 地域再生大作戦について

 自立生活圏の構築、「地域再生大作戦」と仰々しいすぎるほどの大作戦、「本当に何とかしてくれ」「本当に何とかしなければ」と両面の声が聞こえてきます。とりわけ私は、少子、高齢、過疎の進行する中山間地に住む者、議員としての使命のように感じています。また、私たちはそのような中で市町合併を経験してきました。本来市町合併の議論とは、そのような地域再生・まちづくりの議論から出発すべき課題でありましたが、残念ながら「アメとムチ」による合併特例法に振り回された感があります。また、市町合併後さらなる人口減少社会へと進み、一昨年からは世界同時不況、デフレ経済で先行き不透明となっています。「地域再生大作戦」に大いに期待をしつつ、私も関わっていきたいと考えています。
 さてこの度、前田高志関西学院大学教授を座長とする「市町合併の効果・課題に関する研究会」により「兵庫県における平成の市町合併の効果と課題について」が報告されました。
 その中で県に求められるものとして、②市町間の調整、県と市町の連携強化、ア.定住自立圏等の市町間連携についての調整 イ.地域課題の解決にむけた市町と連携した取り組み として、ⅰ 小規模集落対策として「小規模集落元気作戦」の活用。ⅱ 多自然居住地域において、地域資源を発掘、活用することで地域の自立を目指す「ふるさと自立計画推進モデル事業」への取り組み。ⅲ 集落の状況把握、集落点検、集落内での話し合いの活発化など実情にあった集落対策を支援する「集落支援員」の活用。ⅳ 地域で生活し、農林漁業の応援、水源保全・監視活動、住民の生活支援などを行う「地域起こし協力隊」の活用。ⅴ 住民生活に不可欠な商店や医療・金融機関等の存続・誘致、物販品等の配達や巡回診療などによる住民の生活が維持できるような取り組みへの支援。ⅵ まちづくりの観点から、高齢者支援施設の設置等による地域コミュニティ機能の強化などの支援。ⅶ まちづくり会社等による商店街の空き地や空き店舗の不動産の有効活用、移動店舗の確保などの促進。が挙げられていました。合併の評価についてはいろいろと反論したい部分もありますが、その中で県に求められるものについてはそのとおりだと思いますし、「地域再生大作戦」そのものです。平成22年度当初予算発表資料に記載されている展開事業一覧を見ても、重層的にソフト・ハード事業が見事に組み込まれており、素晴らしいと感じました。

(1) 小規模集落元気作戦の今年度の成果について

 そこで、「地域再生大作戦」の平成22年度の展開事業には、多くの新規事業が含まれていますが、その中でも6つの柱の一つである「小規模集落元気作戦」については、人口減少、高齢化が進む小規模集落の交流を核とした活性化をめざして実施している本年度2年目の事業であります。昨年上田議員が質問をされましたが、1年目の成果を踏まえた上での「小規模集落元気作戦」の2年目の成果についてまず伺います。

(2) 今後の展開について

 今年度の成果を伺いました。平成22年度については、多くの新規事業も含めて、重層的にソフト・ハード事業を展開されようとしており、素晴らしいと思う反面、うまくコーディネートして実施していただかないと、事業の効果が薄れるのではないかとも危惧します。
 そこで、3年目を迎える小規模集落元気作戦の展開を含め、地域再生大作戦の展開事業全体が相乗効果を発揮して、事業効果が最大限となるよう、いかに取り組もうと考えているのか伺います。また、私の地元の神河町でも大変お世話になっており感謝をいたしていますが、大川原集落は「小規模集落元気作戦」だけでなく「多自然居住の推進」事業等々重層的な取り組みの支援を受けています。他地域の事例はどうなっているか合わせてお尋ねいたします。

2 県民の参画と協働の推進について

 本格的な人口減少社会の中で、中山間地をはじめ都会でも空洞化が進み高齢化社会が深刻になりつつあります。そしてそれは地域コミュニティの破壊とつながっています。そのような社会の状況だからこそ、県民の参画と協働が強く求められます。
 ちょっと視点を変えてみてみますと、住民の社会への参画を図るバロメーターは、まず選挙の投票行動だと考えます。平成21年の兵庫県知事選挙での投票率は36.02%です。井戸知事に全幅の信頼を置いた結果かも知れませんが、3人に2人は棄権です。また、別の観点では、震災で被災し、お互いを励まし合い、助け合い、地域コミュニティが自然に機能したと言われる兵庫県においてさえ、住宅再建共済制度の加入率は、1月末で7.6%という現状があります。このことをどう捉えるべきでしょうか。
 このような現状を踏まえると、私は、参画と協働の前にまずは、地域自治意識、自治組織の現状はどのようになっているのか、疑問を感じてしまいます。
 例えば、団体ごとに見てみますと、どの地域においても自治会組織はまだまだ機能をしているとは思います。では、婦人会組織はどうでしょうか、私のような田舎においても婦人会組織がだんだんと消滅しています。一方、自治消防団活動は、団員が減少はしていますがまだまだ機能していますし、青年団組織が残っているところも稀にあります。子供会、PTA組織は児童・生徒の減少があっても機能しています。老人会組織は、最大組織で活発な活動を多くみますし、任意の組織も生まれてきています。さらに、丹波地域の母親の方々自らが地域で小児入院ができる病院を守る活動を、地域医療を守る活動まで発展させて取り組んでいる「県立柏原病院の小児科を守る会」などには、感心をいたします。
 まだまだいろいろな組織や見方・分析はあるでしょうが、まずは基本的な自治組織の活動が出来ないようでは、参画と協働も難しいのではないかと思いますが、行政の役割としては、このような自治組織の活動を支援したり、足りない分野を補っていくような取り組みが求められるのではないかと思います。
 そこで、これまで指摘してきた視点も踏まえて、今後どのように県民の参画と協働を推進されていこうとしているのかお尋ねいたします。

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