◆20年2月定例会 討論①

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令和2年度当初予算案等に係る討論 [3月23日(月)]

向山 好一 議員

ひょうご県民連合議員団を代表し、ただいま上程中の令和2年度当初予算関連条例及び事件決議に係る第1号議案ないし第55号議案に対し、賛成の立場から討論を行います。
まず、新型コロナウイルスについて触れます。ウイルスの感染拡大が県民生活に深刻な影響を与えています。今後、県内経済の冷え込みへの対策、医療・検査体制の整備、教育・福祉現場への対応など県民生活全般に適切に対応する必要があり、新年度においても臨機応変に遅滞なく適切な措置を打ち出していただくことを冒頭強く要請いたします。
さて、令和という新しい時代を迎えても人口減少、少子高齢化が長期にわたって進行しています。
また、先ほどのコロナ対策に加え、大きな被害が想定される南海トラフ地震や近年頻発する風水害・土砂災害などの自然災害への対策が必要となっております。
そんな中にあっても、県民が幸せに暮らし続けることができる基盤を整備することが今の県政に携わる我々にとって最大の責務ではないかと思います。
私たちひょうご県民連合議員団は、これまでも県政が抱える課題について、あらゆる機会を通じて指摘をし、その改善を求めてまいりましたし、本議会においても予算特別委員会における質疑、質問を通じて、来年度予算案について慎重に審議を行ってまいりました。
以下、我々が考える実現すべき社会に基づき、来年度当初予算案に対し、評価すべき点、積み残された課題などについて意見を述べます。
まず、持続可能な行財政構造基盤の確立についてであります。この予算案は、通常債が全体で18億円増加するなど、臨財債を除く県債発行額が約13億円上回っているほか、震災関連県債残高2,853億円も依然として県財政に重くのしかかっている状況であります。
これまでの行財政構造改革の取組により、収支均衡を達成するなど、どん底状態は脱したものの、未だ予断を許さない厳しい状況であり、さらに新型コロナウイルス感染症による財政への影響も多大になる状況の中、県税等の収入見込額を精査し、財政フレームを見直す必要があり、新規大型プロジェクトへの積極投資も慎重な検討が不可避であると考えます。
さらに、社会保障費の増加などで今後更に厳しさを増すことを考えると、規制の見直しや仕事の中身の改革、新しい行政サービスの創出を目指すなど、より質の高い改革を推し進める必要があると考えます。
次に、地域主権社会の確立であります。少子化、高齢化が進んでも、兵庫が活力ある地域であるために、地域創生に係るさまざまな施策の効果が十分に発現されるよう、その絞り込みを行うとともに、市町の自主的、主体的な取組へ支援することが重要であります。
健康福祉社会の実現については、地域の医療連携の推進、がん対策の充実、介護サービス基盤の充実、障がい者・難病患者の就労支援、子どもを産み育てやすい環境づくり、児童虐待防止の更なる推進などが求められます。
教育の充実、子供が輝く社会の実現については、奨学金制度の拡充やシチズンシップ教育の推進、不登校児童・生徒の解消、教職員の勤務時間の適正化への取組などに今後も期待します。
命を守る危機管理型社会の実現については、来る大規模災害に備え、基盤整備とセーフティネットの構築、自治体職員の災害・復旧時の対応力の向上などが必要です。
産業活力社会の実現については、就職氷河期世代や若年層等の雇用につなげるための支援、女性が働き続けられるための環境整備、正規雇用と非正規雇用の均等待遇に向けた取組など、雇用、就業環境の更なる整備、充実が期待されます。
このほか、環境循環型社会の実現、快適で潤いのある社会の実現、心豊かな共生社会の実現についても重要課題として着実な取組を期待いたします。

以上、来年度当初予算案に対する評価と、一層の取組が求められる県政課題について述べました。
我が会派が提言や申し入れなど、あらゆる機会を通じて指摘してきた事項には、更なる取組が必要な分野や精査すべき課題が少なからず残っていることについては述べたとおりでありますが、上程されました来年度予算については、極めて厳しい財政状況の中、選択と集中を徹底し、必要な額を確保したものであり、県政を取り巻く重要課題に対応していこうとする姿勢がうかがえる予算となっており、評価をいたします。
令和2年度は、東京オリンピック・パラリンピックの開催年、ワールドマスターズゲームズ関西開催の前年、かつ大阪関西万博開催に向けての大切な準備期間となる年であり、兵庫の魅力を世界に発信できる千載一隅のチャンスを迎えています。知事におかれましては、今後とも県民の声を真摯に受け止めながら、活力のある兵庫づくりに向けての大きな岐路に立たされているとの認識をしっかりもち強力なリーダーシップを発揮されること強く期待し討論といたします。

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